イリスコーダを用いた近見反応と対光反応に関する研究 その1 照度変化について

これまでの電子瞳孔径イリスコーダでは近見反応を測定することはできなかったが、近年発売されたイリスコーダC-7364®により、近見反応の測定が可能となった。近見反応は自然視で測定するために、明るさが大きく影響されると予測される。今回、自然視での照明条件の違いによる近見反応を明らかにするため、ニュートラルデンシティフィルターを用いて、1000~1luxの照度条件をつくり、実験を行った。また、対光反応の測定も行った。 全例において、遠見瞳孔径、近見瞳孔径ともに、低照度ほど一定の傾きで大きくなる傾向が見られた。近見反応の縮瞳率は、全例において低照度ほど下がる傾向が見られた。また、近見反応と対光反応の縮...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 29; pp. 147 - 151
Main Authors 酒井, 幸弘, 洞井, 里絵, 内藤, 尚久, 市川, 一夫, 宇陀, 恵子, 玉置, 明野
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2001
Subjects
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.29.147

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Summary:これまでの電子瞳孔径イリスコーダでは近見反応を測定することはできなかったが、近年発売されたイリスコーダC-7364®により、近見反応の測定が可能となった。近見反応は自然視で測定するために、明るさが大きく影響されると予測される。今回、自然視での照明条件の違いによる近見反応を明らかにするため、ニュートラルデンシティフィルターを用いて、1000~1luxの照度条件をつくり、実験を行った。また、対光反応の測定も行った。 全例において、遠見瞳孔径、近見瞳孔径ともに、低照度ほど一定の傾きで大きくなる傾向が見られた。近見反応の縮瞳率は、全例において低照度ほど下がる傾向が見られた。また、近見反応と対光反応の縮瞳率は必ずしも一致しなかった。 以上より、明るさの違いで、遠見・近見瞳孔径は変化することから、再現性のある近見反応を測定するには、照度を一定にする必要があると考えられた。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.29.147