運転免許返納をした高齢者における免許返納前後の印象と実態のギャップに関するWeb調査

高齢者による自動車事故防止策の一つに,運転免許の返納制度がある.近年,高齢者の免許返納率は増加しているが,「生活が不便になる」との懸念から返納をためらう人もいる.本研究では,65歳以上の免許返納者を対象にWebアンケートを実施し,返納前に抱く「返納後の生活の不便さ」の印象が「返納後の実態」よりも不便に捉えられているかを調査した.その結果,返納前に抱く印象と返納後の実態に大きな違いはなく,実態よりも悪い印象を持っていた返納者が少ないことが明らかになった.さらに,多くの返納者が返納後の実態は返納前に抱く印象と同程度かそれよりも悪いと回答しており,返納後の生活の利便性向上に向けた施策が必要であること...

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Published inグロービス経営大学院紀要 Vol. 3; pp. 1 - 11
Main Authors 嶋村, 基一, 難波, 美帆, 岩松, 俊介, 谷口, 夏子, 喜多, 孝行, 坪井, 陽平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 グロービス経営大学院大学 31.10.2024
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ISSN2758-4046
DOI10.57433/globis.3.0_1

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Summary:高齢者による自動車事故防止策の一つに,運転免許の返納制度がある.近年,高齢者の免許返納率は増加しているが,「生活が不便になる」との懸念から返納をためらう人もいる.本研究では,65歳以上の免許返納者を対象にWebアンケートを実施し,返納前に抱く「返納後の生活の不便さ」の印象が「返納後の実態」よりも不便に捉えられているかを調査した.その結果,返納前に抱く印象と返納後の実態に大きな違いはなく,実態よりも悪い印象を持っていた返納者が少ないことが明らかになった.さらに,多くの返納者が返納後の実態は返納前に抱く印象と同程度かそれよりも悪いと回答しており,返納後の生活の利便性向上に向けた施策が必要であることが示唆された.また,返納前の運転頻度や徒歩圏内の公共交通の有無が,印象と実態のギャップに影響する可能性があることも明らかになった.
ISSN:2758-4046
DOI:10.57433/globis.3.0_1