遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)フォローアップの全国調査

遺伝医療やゲノム医療の進歩に伴い遺伝性乳癌卵巣癌(hereditary breast and ovarian cancer;HBOC)の診断機会が増加するなか,確定診断後の診療状況の把握を目的に国内の248の医療機関を対象にインターネットを利用したアンケート調査を行った.調査への同意を得られた131施設のうちBRCA1/2遺伝学的検査は127施設,サーベイランスは107施設で実施していた.サーベイランスの実施率には,対象者のBRCA1/2病的バリアント保持と関連がんの発症が影響していた.検診項目はマンモグラフィ,乳房超音波検査,経腟超音波検査,卵巣腫瘍マーカー測定が主流で,男性の乳癌検診や前立...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in遺伝性腫瘍 Vol. 22; no. 1; pp. 1 - 8
Main Authors 井本, 逸勢, 村瀬, 紗姫, 森重, 健一郎, 石原, 拓磨, 仲間, 美奈, 飯沼, 光司, 松山, 裕美, 二村, 学, 浅野, 好美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会 05.08.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2435-6808
DOI10.18976/jsht.22.1_1

Cover

Loading…
More Information
Summary:遺伝医療やゲノム医療の進歩に伴い遺伝性乳癌卵巣癌(hereditary breast and ovarian cancer;HBOC)の診断機会が増加するなか,確定診断後の診療状況の把握を目的に国内の248の医療機関を対象にインターネットを利用したアンケート調査を行った.調査への同意を得られた131施設のうちBRCA1/2遺伝学的検査は127施設,サーベイランスは107施設で実施していた.サーベイランスの実施率には,対象者のBRCA1/2病的バリアント保持と関連がんの発症が影響していた.検診項目はマンモグラフィ,乳房超音波検査,経腟超音波検査,卵巣腫瘍マーカー測定が主流で,男性の乳癌検診や前立腺PSA(prostate specific antigen)測定,膵臓に対して行う検査は一部の実施にとどまった.遺伝カウンセリングは59施設において行われ,その多くが不定期実施であった.HBOCフォローアップにおける課題は,院内外の連携,対応する人材確保,患者の経済的支援と考えられた.
ISSN:2435-6808
DOI:10.18976/jsht.22.1_1