プロトタイプ大腸内視鏡(PCF-Y0003-I)の使用経験
従来の大腸内視鏡に比べてより安全で苦痛なく挿入が可能なオリンパス社製のプロトタイプ大腸内視鏡PCF-Y0003-I(以下プロトPCF)を使用する機会を得たので報告する。プロトPCFは受動彎曲部と高伝達挿入機能を兼ね備え,すでに市販されているPCF-PQ260Iに,新たに深部挿入時の再ループ防止を意図して可変機能を搭載した試作機種である。プロトPCFを使用した53例と従来のPCF-Q260AIを使用した41例についてスコープの操作性,被検者の苦痛の有無などを比較検討した。SD移行部の挿入パターン,通過時間,盲腸までの到達時間について両スコープの間で有意差を認めなかった。硬度可変機能の使用頻度に関...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 78; no. 2; pp. 37 - 39 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2011
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Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.78.2_37 |
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Summary: | 従来の大腸内視鏡に比べてより安全で苦痛なく挿入が可能なオリンパス社製のプロトタイプ大腸内視鏡PCF-Y0003-I(以下プロトPCF)を使用する機会を得たので報告する。プロトPCFは受動彎曲部と高伝達挿入機能を兼ね備え,すでに市販されているPCF-PQ260Iに,新たに深部挿入時の再ループ防止を意図して可変機能を搭載した試作機種である。プロトPCFを使用した53例と従来のPCF-Q260AIを使用した41例についてスコープの操作性,被検者の苦痛の有無などを比較検討した。SD移行部の挿入パターン,通過時間,盲腸までの到達時間について両スコープの間で有意差を認めなかった。硬度可変機能の使用頻度に関しても両者に有意差を認めなかった。挿入時の疼痛に関してはプロトPCFで疼痛を認めなかった症例が有意に多かった。SD移行部をより安全に通過できる受動彎曲機能を持ち,硬度可変機能によって腸管の過剰なループ形成を防止することが出来るプロトPCFの有用性が確かめられた。 |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.78.2_37 |