日本の製造業企業の広告宣伝投資と研究開発投資が無形資産形成に与える効果の時系列分析

この論文の目的は日本の証券市場に上場している製造業企業1,091社を対象とし,1965年から2002年までの38年間について広告宣伝投資と研究開発投資が無形資産形成に与える効果を経時的に分析することである.非バランス・パネル・データの特徴を有する本研究の会計データを分析するために,系列相関を考慮した一般化最小二乗法を提案する.分析の結果,広告宣伝投資の無形資産形成に対する効果はバブル期を除いてほとんど変動してないこと,研究開発投資の効果は80年代前半に急上昇し,85年のプラザ合意の年以降98年まで低下し続けているが,2000年からは再び上昇していること,一般的に広告宣伝投資よりは研究開発投資の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 Vol. 14; no. 1; pp. 39 - 59
Main Author 緒方, 勇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本管理会計学会 25.01.2006
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0918-7863
2434-0529
DOI10.24747/jma.14.1_39

Cover

More Information
Summary:この論文の目的は日本の証券市場に上場している製造業企業1,091社を対象とし,1965年から2002年までの38年間について広告宣伝投資と研究開発投資が無形資産形成に与える効果を経時的に分析することである.非バランス・パネル・データの特徴を有する本研究の会計データを分析するために,系列相関を考慮した一般化最小二乗法を提案する.分析の結果,広告宣伝投資の無形資産形成に対する効果はバブル期を除いてほとんど変動してないこと,研究開発投資の効果は80年代前半に急上昇し,85年のプラザ合意の年以降98年まで低下し続けているが,2000年からは再び上昇していること,一般的に広告宣伝投資よりは研究開発投資の方が無形資産形成に与える効果は大きいこと,誤差項にはかなり強い系列相関が見られ,通常最小二乗法による分析では非効率的な推定値しか得られないことが判明した.
ISSN:0918-7863
2434-0529
DOI:10.24747/jma.14.1_39