手術部看護婦の病棟術前訪問 交流分析法による評価

手術前の患者は, 誰もが不安を抱いている。患者とのコミュニケーションをはかり, 患者が不安なく手術を受けられるように援助することが, 看護婦術前訪問の重要な目的のひとつである。短時間で患者との信頼関係を確立できるよう, 術前患者の精神的援助を目的とし,「交流分析」の手法を取り入れて術前訪問を実施した。平成6年3月から5月にかけて, 14人で構成されている手術部看護婦が全身麻酔を受ける患者を対象として術前訪問を行い患者との会話を記録した。完全な状態でのプロセスレコードができたのは, 患者120人中21人であった。その中で患者と看護婦が出したストロークをカウントし分析した。その結果, 交流分析のス...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 46; no. 4; pp. 748 - 754
Main Authors 粉川, 美千代, 酒井, 真理子, 近藤, 久子, 酒寄, 良子, 弘田, タケ, 黒田, かよ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 30.11.1997
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.46.748

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Summary:手術前の患者は, 誰もが不安を抱いている。患者とのコミュニケーションをはかり, 患者が不安なく手術を受けられるように援助することが, 看護婦術前訪問の重要な目的のひとつである。短時間で患者との信頼関係を確立できるよう, 術前患者の精神的援助を目的とし,「交流分析」の手法を取り入れて術前訪問を実施した。平成6年3月から5月にかけて, 14人で構成されている手術部看護婦が全身麻酔を受ける患者を対象として術前訪問を行い患者との会話を記録した。完全な状態でのプロセスレコードができたのは, 患者120人中21人であった。その中で患者と看護婦が出したストロークをカウントし分析した。その結果, 交流分析のストロークを取り入れた術前訪問により86%の患者で手術に対する不安を軽減することができたが, 一方14%の患者には不安を取り除くことができなかった。術前訪問は看護婦, 患者間の信頼関係の確立により9割近い患者に有効であった。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.46.748