脳卒中片麻痺患者における最大歩行速度と感覚障害との関連

脳卒中軽度片麻痺患者を対象とし,歩行能力と感覚障害との関連を調べるため,感覚障害別に分類した2群間で退院時最大歩行速度・歩行率・重複歩距離と立位バランスを比較検討した。  今回の観察結果より,軽度麻痺患者において,感覚障害は最大歩行速度の低下を招き,その理由として歩行率の低下が示された。また,歩行率は立位バランス能力の状態に影響され,今回対象とした軽度麻痺患者では,staticな立位バランス能力が,dynamicな立位バランス能力を反映し得ることが判明した。このことより,単.脚立位検査が,歩行機能を反映し得る可能性が伺えた。今後,重度麻痺患者での観察を行い,検討していきたい。...

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Published in理学療法科学 Vol. 10; no. 2; pp. 75 - 79
Main Authors 原, 弘和, 田中, 敦, 亀田, 美保, 清水, 智英子, 富井, 豊人, 三浦, ひろ子, 島田, 裕之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 20.05.1995
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.10.75

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Summary:脳卒中軽度片麻痺患者を対象とし,歩行能力と感覚障害との関連を調べるため,感覚障害別に分類した2群間で退院時最大歩行速度・歩行率・重複歩距離と立位バランスを比較検討した。  今回の観察結果より,軽度麻痺患者において,感覚障害は最大歩行速度の低下を招き,その理由として歩行率の低下が示された。また,歩行率は立位バランス能力の状態に影響され,今回対象とした軽度麻痺患者では,staticな立位バランス能力が,dynamicな立位バランス能力を反映し得ることが判明した。このことより,単.脚立位検査が,歩行機能を反映し得る可能性が伺えた。今後,重度麻痺患者での観察を行い,検討していきたい。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.10.75