Continent Urinary Reservoir (CUR) による尿路変向術の検討 結腸CUR造設術

右結腸を用いて, 尿失禁防止機構を備えた urinary reservoir, すなわち continent urinary reservoir を作成する尿路変向術式につき報告した. 15~18cmの回腸末端部を含め右結腸 (盲腸, 上行結腸および横行結腸の右1/3) を遊離し, 遊離結腸 segment を全長にわたり自由紐に沿って切開した. 腸間膜を切離した回腸末端部8cmを盲腸内に重積させ, 形成された ileal nipple を結腸壁に縫合固定, さらに重積基部を漿膜側から Dacron mesh collar で固定した. 粘膜下トンネル法による尿管結腸吻合後, 縦に切開された結...

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Published in日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 79; no. 8; pp. 1418 - 1426
Main Authors 萩原, 正通, 中薗, 昌明, 朝倉, 博孝, 飯ケ谷, 知彦, 林, 暁, 山本, 秀伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本泌尿器科学会 20.08.1988
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Summary:右結腸を用いて, 尿失禁防止機構を備えた urinary reservoir, すなわち continent urinary reservoir を作成する尿路変向術式につき報告した. 15~18cmの回腸末端部を含め右結腸 (盲腸, 上行結腸および横行結腸の右1/3) を遊離し, 遊離結腸 segment を全長にわたり自由紐に沿って切開した. 腸間膜を切離した回腸末端部8cmを盲腸内に重積させ, 形成された ileal nipple を結腸壁に縫合固定, さらに重積基部を漿膜側から Dacron mesh collar で固定した. 粘膜下トンネル法による尿管結腸吻合後, 縦に切開された結腸 segment を Heineke-Mikulicz 式に横に縫合閉鎖し pouch を作成した. 右下腹部の, pouch から最短距離の位置に flush stoma を作成した. Dacron mesh collar を腹直筋鞘前葉に縫合固定した. 1986年6月から1987年11月までの間に7例に本術式を施行したが, 3~17カ月 (平均11カ月) の経過観察で, reservoir の機能 (容量, continence, 自己導尿の容易さ, 尿管逆流の防止) は全例で良好に保たれ, 上部尿路機能も全例で満足すべき状態であった. 術後早期合併症はなく, 電解質平衡の異常, 吸収不良症候群などの晩期合併症もみられていない.
ISSN:0021-5287
1884-7110
DOI:10.5980/jpnjurol1928.79.8_1418