顔面神経の造影MRI-第1報 顔面神経の血管透過性からみた造影効果発現機序の実験的検討

ラット及び家兎を用いた顔面神経麻痺モデルを作成し, 正常及び障害顔面神経の血管透過性をEvans blue albuminをトレーサーとして検討した. そして, 家兎の麻痺モデルに対しGd-DTPAを静注し正常及び障害顔面神経のGd含有量を測定した. 正常顔面神経の神経内膜は極めて低い血管透過性を示したが, 神経上膜及び膝神経節は高い血管透過性を示した. 一方, 障害神経では神経内膜でも血管透過性の亢進を示し, それは障害部位の末梢側で強かった. 障害側の顔面神経は正常に比べ有意に高いGd含有量を示した. 以上の結果より, 顔面神経麻痺患者のMRIにおける造影効果は血管透過性が亢進し血管からG...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 8; pp. 1320 - 1328,1393
Main Author 柳田, 昌宏
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.08.1993
日本耳鼻咽喉科学会
Subjects
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.96.1320

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Summary:ラット及び家兎を用いた顔面神経麻痺モデルを作成し, 正常及び障害顔面神経の血管透過性をEvans blue albuminをトレーサーとして検討した. そして, 家兎の麻痺モデルに対しGd-DTPAを静注し正常及び障害顔面神経のGd含有量を測定した. 正常顔面神経の神経内膜は極めて低い血管透過性を示したが, 神経上膜及び膝神経節は高い血管透過性を示した. 一方, 障害神経では神経内膜でも血管透過性の亢進を示し, それは障害部位の末梢側で強かった. 障害側の顔面神経は正常に比べ有意に高いGd含有量を示した. 以上の結果より, 顔面神経麻痺患者のMRIにおける造影効果は血管透過性が亢進し血管からGd-DTPAが漏出することによると考えられた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.96.1320