Parkinson病の自律神経障害と認知機能障害

Parkinson病(PD)では多彩な非運動症状を認め,進行例では起立性低血圧(OH)を約50%,認知機能障害を約80%の症例で認めるとされている.OHと認知機能障害はPD患者のADL・QOLに大きな影響を及ぼす.食事性低血圧(PPH)でも脳虚血病変が増悪し,臥位性高血圧(SH),夜間高血圧(NH)も認知機能障害と関連している.PPH,SHなどの血圧循環障害が引き起こす血圧日内変動はPDの認知機能障害の発症と進展に密接に関連している.PDにおける血圧循環障害による認知機能低下に対して,OHの是正に加えてSHやNHを惹起しないよう考慮した対策も必要と考えられる....

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Bibliographic Details
Published in自律神経 Vol. 57; no. 1; pp. 2 - 6
Main Authors 岡, 尚省, 梅原, 淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本自律神経学会 2020
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ISSN0288-9250
2434-7035
DOI10.32272/ans.57.1_002

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Summary:Parkinson病(PD)では多彩な非運動症状を認め,進行例では起立性低血圧(OH)を約50%,認知機能障害を約80%の症例で認めるとされている.OHと認知機能障害はPD患者のADL・QOLに大きな影響を及ぼす.食事性低血圧(PPH)でも脳虚血病変が増悪し,臥位性高血圧(SH),夜間高血圧(NH)も認知機能障害と関連している.PPH,SHなどの血圧循環障害が引き起こす血圧日内変動はPDの認知機能障害の発症と進展に密接に関連している.PDにおける血圧循環障害による認知機能低下に対して,OHの是正に加えてSHやNHを惹起しないよう考慮した対策も必要と考えられる.
ISSN:0288-9250
2434-7035
DOI:10.32272/ans.57.1_002