乳酸菌の歴史とその機能の可能性

日本ではヨーグルトとして一般的である発酵乳の歴史は古く, 人間が草食動物を飼育し, その乳を栄養源として飲み始めたときまで遡るとされる. 羊や山羊は紀元前1万年頃にメソポタミア地方で, 牛は紀元前8000年頃に東地中海地方で家畜化されたと伝えられており, すでにこの頃から発酵乳が存在していたと考えられる. 発酵乳に欠かせない乳酸菌の発見は, 時を経て1857年に微生物学の始祖, フランスのパスツールによって行われた. パスツールが乳酸菌を発見したきっかけは, 酸敗というアルコールが酸っぱくなる現象に悩んでいた地元の醸造業者から相談を受け, その原因を調査したことだった....

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Published in薬史学雑誌 Vol. 60; no. 1; p. 23
Main Author 山田 成臣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本薬史学会 30.06.2025
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ISSN0285-2314
2435-7529
DOI10.34531/jjhp.60.1_23

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Summary:日本ではヨーグルトとして一般的である発酵乳の歴史は古く, 人間が草食動物を飼育し, その乳を栄養源として飲み始めたときまで遡るとされる. 羊や山羊は紀元前1万年頃にメソポタミア地方で, 牛は紀元前8000年頃に東地中海地方で家畜化されたと伝えられており, すでにこの頃から発酵乳が存在していたと考えられる. 発酵乳に欠かせない乳酸菌の発見は, 時を経て1857年に微生物学の始祖, フランスのパスツールによって行われた. パスツールが乳酸菌を発見したきっかけは, 酸敗というアルコールが酸っぱくなる現象に悩んでいた地元の醸造業者から相談を受け, その原因を調査したことだった.
ISSN:0285-2314
2435-7529
DOI:10.34531/jjhp.60.1_23