難治てんかんの背景にある先天代謝異常

先天代謝異常はてんかんの合併率が高くその病像も多彩であるが, 遺伝性疾患としててんかん症候群の中で特異な位置を占める. 発育途上の小児の中枢神経系は代謝異常により容易に障害を受けやすい特徴があり, その1つの表現型がてんかんである. 先天代謝異常には数多くの疾患の種類があるが, 発症時に十分な代謝スクリーニングが行われていないと『原因不明のてんかん症候群』として経過観察されていることが多い. 抗てんかん薬による治療に抵抗する難治てんかんでも, 代謝異常の是正により劇的な改善をみることがあるので, データベースを用いた症例の把握は重要である....

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Published in医療 Vol. 58; no. 8; pp. 447 - 451
Main Authors 長尾, 雅悦, 若井, 周治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.08.2004
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.58.447

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Summary:先天代謝異常はてんかんの合併率が高くその病像も多彩であるが, 遺伝性疾患としててんかん症候群の中で特異な位置を占める. 発育途上の小児の中枢神経系は代謝異常により容易に障害を受けやすい特徴があり, その1つの表現型がてんかんである. 先天代謝異常には数多くの疾患の種類があるが, 発症時に十分な代謝スクリーニングが行われていないと『原因不明のてんかん症候群』として経過観察されていることが多い. 抗てんかん薬による治療に抵抗する難治てんかんでも, 代謝異常の是正により劇的な改善をみることがあるので, データベースを用いた症例の把握は重要である.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.58.447