HIV/AIDS患者の療養継続支援とHIV/AIDSコーディネーターナース

抗HIV療法(Highly Active Anti-Retroviral Therapy:以下HAART)によって, HIV感染症は慢性疾患となり, 外来診療・ケアの充実は必須である. 患者の予後は改善したが, 副作用や薬剤耐性ウイルスの問題等, 患者は治療に関する多くの課題を抱えており, また患者や病気に対する社会の偏見や誤解も多く, 治療と生活を両立することは決して容易ではない. 患者の「個別性」と「脆弱性」は密接に関係しており, 感染リスクであると同時に, HAARTの成否にも関わる難しさである. 治療開始に向けた準備として, 患者担当制で組織横断的に活動するHIV/AIDSコーディネー...

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Published in医療 Vol. 59; no. 12; pp. 647 - 651
Main Author 島田, 恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.12.2005
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.59.647

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Summary:抗HIV療法(Highly Active Anti-Retroviral Therapy:以下HAART)によって, HIV感染症は慢性疾患となり, 外来診療・ケアの充実は必須である. 患者の予後は改善したが, 副作用や薬剤耐性ウイルスの問題等, 患者は治療に関する多くの課題を抱えており, また患者や病気に対する社会の偏見や誤解も多く, 治療と生活を両立することは決して容易ではない. 患者の「個別性」と「脆弱性」は密接に関係しており, 感染リスクであると同時に, HAARTの成否にも関わる難しさである. 治療開始に向けた準備として, 患者担当制で組織横断的に活動するHIV/AIDSコーディネーターナースが, 薬害エイズの和解をもとにACCに配置され, 8ブロックへと, 拡大しつつ実感してきた. 今後は, まずは拠点病院内で安定した配置が得られ一般化されるよう, コーディネーターナースの資格認定や診療報酬について, 検討が必要である.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.59.647