頸髄除圧術前・後の脊髄形態の変化と臨床成績の解析 脊髄の柔軟性と術後臨床成績について
除圧術前後の脊髄横断面積の変化と術後臨床成績を解析することで,脊髄の形態学的な柔軟性と術後臨床症状について検討した.対象は,手術を施行し術後2年以上経過観察が可能であった頸椎症性脊髄症32例,頸椎後縦靱帯骨化症14例,頸椎椎間板ヘルニア10例である.脊髄形態はMRI T1強調画像で最大圧迫部の脊髄横断面積を算出した.原疾患にかかわらず,術前脊髄横断面積40mm2以下の中等度以下の症例において,術後6ヵ月時の脊髄横断面積増大率は経過観察時のJOAスコアと相関した.脊髄横断面積40mm2以下の症例の除圧後の脊髄横断面積回復率,すなわち形態学的な柔らかさは,残された脊髄の可逆的な病理変化と脊髄機能の...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 36; no. 1; pp. 59 - 62 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本リハビリテーション医学会
18.01.1999
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Subjects | |
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ISSN | 0034-351X 1880-778X |
DOI | 10.2490/jjrm1963.36.59 |
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Summary: | 除圧術前後の脊髄横断面積の変化と術後臨床成績を解析することで,脊髄の形態学的な柔軟性と術後臨床症状について検討した.対象は,手術を施行し術後2年以上経過観察が可能であった頸椎症性脊髄症32例,頸椎後縦靱帯骨化症14例,頸椎椎間板ヘルニア10例である.脊髄形態はMRI T1強調画像で最大圧迫部の脊髄横断面積を算出した.原疾患にかかわらず,術前脊髄横断面積40mm2以下の中等度以下の症例において,術後6ヵ月時の脊髄横断面積増大率は経過観察時のJOAスコアと相関した.脊髄横断面積40mm2以下の症例の除圧後の脊髄横断面積回復率,すなわち形態学的な柔らかさは,残された脊髄の可逆的な病理変化と脊髄機能の可塑性を反映するものと考えた. |
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ISSN: | 0034-351X 1880-778X |
DOI: | 10.2490/jjrm1963.36.59 |