HIV感染症のテーラーメイド治療

テーラーメイド治療とは, あたかも仕立屋で首まわりや胸囲などを測りながら洋服を作るように, 患者個人の体質に合わせ薬の種類や量を調節してより副作用の少ない治療を選択する治療法のことである. しかし, 患者の体質を決定する遺伝子解析やsingle nucleotide polymorphisms(SNPs)解析が盛んにおこなわれているが, 具体的にテーラーメイド治療への応用となるとまだまだ発展途上であるのが現状である. HIVの分野においては, 最近テーラーメイド治療に結びつく可能性のあるいくつかのゲノム情報やSNPsと薬剤血中濃度の関連が明らかにされてきた. われわれが発見したエファビレンツ(...

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Published in医療 Vol. 59; no. 12; pp. 676 - 679
Main Author 岡, 慎一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.12.2005
国立医療学会
Subjects
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.59.676

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Summary:テーラーメイド治療とは, あたかも仕立屋で首まわりや胸囲などを測りながら洋服を作るように, 患者個人の体質に合わせ薬の種類や量を調節してより副作用の少ない治療を選択する治療法のことである. しかし, 患者の体質を決定する遺伝子解析やsingle nucleotide polymorphisms(SNPs)解析が盛んにおこなわれているが, 具体的にテーラーメイド治療への応用となるとまだまだ発展途上であるのが現状である. HIVの分野においては, 最近テーラーメイド治療に結びつく可能性のあるいくつかのゲノム情報やSNPsと薬剤血中濃度の関連が明らかにされてきた. われわれが発見したエファビレンツ(EFV)血中濃度とチトクロームP450(CYP2B6)の遺伝子型の臨床応用については, 現在国内11施設共同で遺伝子型を見てEFV投与量を減量する事の有効性を検証する試験を行っている. まさにテーラーメイド治療の第一歩といえる.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.59.676