口唇裂口蓋裂者のコミュニケーション能力の解析 身体運動解析法の応用について

口唇裂口蓋裂既治療成人の,非言語的コミュニケーションについて,身体運動解析法を応用した解析を試みた。対象は,生育歴,生育環境が同じであるが,一方が右側口唇口蓋裂,他方が非裂者である双生児1組とした。共著者の一人である心理学者が,上記対象双生児である女性2人に,質問表を用いて面接を行ったが,その時の対象者を正面と側面からビデオテープに収録した。収録した画像をデジタル化処理後,身体運動解析法を応用して,頭部と手の動きを計測した。その結果,(1) 裂者の姉の頭部,手の移動量はともに非裂者の妹より少なかった。(2) 非裂者の妹は面接時間の経過とともに移動量の増大が認められた。 以上のように両者で非言語...

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Published in日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 25; no. 1; pp. 45 - 52
Main Authors 山口, 泰, 足立, 智昭, 幸地, 省子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口蓋裂学会 31.01.2000
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ISSN0386-5185
2186-5701
DOI10.11224/cleftpalate1976.25.1_45

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Summary:口唇裂口蓋裂既治療成人の,非言語的コミュニケーションについて,身体運動解析法を応用した解析を試みた。対象は,生育歴,生育環境が同じであるが,一方が右側口唇口蓋裂,他方が非裂者である双生児1組とした。共著者の一人である心理学者が,上記対象双生児である女性2人に,質問表を用いて面接を行ったが,その時の対象者を正面と側面からビデオテープに収録した。収録した画像をデジタル化処理後,身体運動解析法を応用して,頭部と手の動きを計測した。その結果,(1) 裂者の姉の頭部,手の移動量はともに非裂者の妹より少なかった。(2) 非裂者の妹は面接時間の経過とともに移動量の増大が認められた。 以上のように両者で非言語的コミュニケーションに関わる頭部と手の動きに,定量的な差が認められた。したがって本研究で応用した身体運動解析法は非言語的コミュニケーションの客観的解析に有用と考えられた。
ISSN:0386-5185
2186-5701
DOI:10.11224/cleftpalate1976.25.1_45