耳鼻咽喉科領域感染症に対するCefsulodinの臨床効果 主として緑膿菌感染症についての検討
Cefsulodin (CFS) は, 緑膿菌に特異的に抗菌力を示すセフェム系抗生物質である。その構造式はFig.1に示すようで, 7位側鎖にSulbenicillin (SBPC) と同様のSulfophenylacetamidoを導入し, 又3位側鎖はCephaloridineに類似している。 本剤に関する研究は基礎, 臨床においてすでに数多く行われており, 第26回日本化学療法学会総会にそれらの成績のまとめが新薬シンポジウムとして発表された。それによるとCFSは緑膿菌に対しアミノ配糖体系抗生物質と同程度の抗菌力を示し, 緑膿菌の産生するβ-Lactamaseに対し強い抵抗性を持つとされ,...
Saved in:
Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 35; no. 12; pp. 2851 - 2860 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
01.12.1982
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | Cefsulodin (CFS) は, 緑膿菌に特異的に抗菌力を示すセフェム系抗生物質である。その構造式はFig.1に示すようで, 7位側鎖にSulbenicillin (SBPC) と同様のSulfophenylacetamidoを導入し, 又3位側鎖はCephaloridineに類似している。 本剤に関する研究は基礎, 臨床においてすでに数多く行われており, 第26回日本化学療法学会総会にそれらの成績のまとめが新薬シンポジウムとして発表された。それによるとCFSは緑膿菌に対しアミノ配糖体系抗生物質と同程度の抗菌力を示し, 緑膿菌の産生するβ-Lactamaseに対し強い抵抗性を持つとされ, 又臨床試験においては尿路感染症, 呼吸器感染症について検討され, 優れた緑膿菌消失率を示したと報告されている。 今回我々はかような特徴を持つCFSを耳鼻咽喉科領域においても活用されるべきものと考え, 基礎的, 臨床的検討を行つたのでその成績についてここに報告したい。 |
---|---|
ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.35.2851 |