扁桃周囲膿瘍の治療について 切開と穿刺の比較

入院治療を行った扁桃周囲膿瘍の32例を対象に, 切開排膿と穿刺吸引の二つの治療の有効性を比較した. 解熱 (37℃未満) までの期間は, 切開排膿の12例が入院後平均2.0日間 (範囲は0~8日), 穿刺吸引の20例では平均2.1日間 (範囲0~4日) であった. 全粥食を取れるまでの平均期間は, 切開排膿の症例で入院後平均3.8日間 (範囲は1~9), 穿刺吸引の症例では平均3.2日間 (範囲は3~9) であった. 入院期間は, 切開排膿の症例で平均5.4日間 (範囲は3~9), 穿刺吸引の症例では平均5.5日間 (範囲は4~10日) であった. 再発率にも差がない (穿刺吸引の症例では3例...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 2; pp. 219 - 224,365
Main Authors 沖田, 渉, 矢野, 純
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.02.1993
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.96.219

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Summary:入院治療を行った扁桃周囲膿瘍の32例を対象に, 切開排膿と穿刺吸引の二つの治療の有効性を比較した. 解熱 (37℃未満) までの期間は, 切開排膿の12例が入院後平均2.0日間 (範囲は0~8日), 穿刺吸引の20例では平均2.1日間 (範囲0~4日) であった. 全粥食を取れるまでの平均期間は, 切開排膿の症例で入院後平均3.8日間 (範囲は1~9), 穿刺吸引の症例では平均3.2日間 (範囲は3~9) であった. 入院期間は, 切開排膿の症例で平均5.4日間 (範囲は3~9), 穿刺吸引の症例では平均5.5日間 (範囲は4~10日) であった. 再発率にも差がない (穿刺吸引の症例では3例, 切開排膿の症例では1例の再発) ので, 穿刺吸引は切開に劣らない治療法であると結論した.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.96.219