血清および肝組織におけるコハク酸脱水素酵素測定法ならびに血清酵素の性質にかんする研究

血清コハク酸脱水素酵素の測定法および血清酵素の性質などについての報告はほとんどみあたらない,著者は血清中,ならびに肝組織内におけるコハク酸脱水素酵素測定法についてGlock & Jensen法, Slater & Bonner法, Lazarow & Kurfessらの方法についての検討を行なつた. Glock & Jensen法においては,肝ホモジエネートで本酵素活性値を測定したところ,吸光度と肝ホモジエネート量とは,平行関係が認められ,方法論的には血清Succ. DHも測定し得ると考えられた. Slater & Bonner法については反応系のコハク...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 57; no. 10; pp. 1238 - 1249
Main Author 高橋, 伸行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1968
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.57.1238

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Summary:血清コハク酸脱水素酵素の測定法および血清酵素の性質などについての報告はほとんどみあたらない,著者は血清中,ならびに肝組織内におけるコハク酸脱水素酵素測定法についてGlock & Jensen法, Slater & Bonner法, Lazarow & Kurfessらの方法についての検討を行なつた. Glock & Jensen法においては,肝ホモジエネートで本酵素活性値を測定したところ,吸光度と肝ホモジエネート量とは,平行関係が認められ,方法論的には血清Succ. DHも測定し得ると考えられた. Slater & Bonner法については反応系のコハク酸ソーダ濃度を2.0×10-3Mとし,赤血塩濃度を5.0×10-4Mと改め,反応開始前20分間のincubationを行ない,測定直前にコハク酸ソーダを加えるように改めれば,肝ホモジエネートおよび血清Succ. DH活性値を測定し得ることを確認した.本方法にしたがつて肝ホモジエネート量と酵素活性値を測定したが,その両者間に平行関係が認められた.本酵素のマロン酸による阻害を観察すると,肝ホモジエネートではマロン酸濃度10-2Mまで完全阻害作用のあることを認め,血清では10-3Mまで完全阻害作用のあることを認めた.肝ホモジエネートについて, Michaelis定数を検討したところ, Km=1.0×10-5であつた.また各種肝疾患々者について,血清Succ. DH浩性値を測定したところ,本酵素が血清中に出現する頻度はきわめて低く,その臨床的意義については不明の点が多かつた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.57.1238