ネブライザー療法における芳香剤添加の検討

ネブライザー療法を含めた局所療法に用いる薬剤の味やにおいについては, 一般用医薬品に比較し, 患者からの満足度は十分とはいえない。 今回私共はネブライザー療法に用いる薬剤に, 芳香剤であるハッカオイルや各種のにおいエッセンスを添加して用い, 使用感を中心に, その有用性について検討した。またこれらの添加物が薬剤の安定性に及ぼす影響についても基礎的な検討を行った。 慢性副鼻腔炎のネブライザー療法に, ハッカオイルを添加して使用し, 使用時の清涼感が増し, 局所療法としてより有用性を高めることができた。CMXにハッカオイルを添加し, 薬剤の安定性をみたが, CMXの7日後の力価残存率は91.1%と...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 43; no. Supplement1; pp. 30 - 36
Main Authors 石塚, 洋一, 竹越, 佐智子, 千葉, 良子, 田中, 彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.08.2000
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Summary:ネブライザー療法を含めた局所療法に用いる薬剤の味やにおいについては, 一般用医薬品に比較し, 患者からの満足度は十分とはいえない。 今回私共はネブライザー療法に用いる薬剤に, 芳香剤であるハッカオイルや各種のにおいエッセンスを添加して用い, 使用感を中心に, その有用性について検討した。またこれらの添加物が薬剤の安定性に及ぼす影響についても基礎的な検討を行った。 慢性副鼻腔炎のネブライザー療法に, ハッカオイルを添加して使用し, 使用時の清涼感が増し, 局所療法としてより有用性を高めることができた。CMXにハッカオイルを添加し, 薬剤の安定性をみたが, CMXの7日後の力価残存率は91.1%と安定していた。薬剤の安定性の検討では, ハツカオイルの他に, グレープフルーツオイル, メロンエッセンス, ストロベリーエッセンス, レモンエッセンスの安定性が良かった。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.43.Supplement1_30