わが国における商品売買取引の処理方法の実態と呼称-売上原価項目入力法
わが国の簿記研究・教育における商品売買取引の処理方法は,主に三分法が取り上げられ「多くの実務において用いられている」といった説明も多くみられる。しかし,今日では三分法を採用する企業は少ないものと考えられる。企業実務で採用されている処理方法は,五勘定法と呼称する場合があるが,その呼称は定着しているわけではないし五分法(五分割法)と誤解されることもある。そこで,本論文では,企業実務で採用されている商品売買取引の処理方法の特徴と実態を明らかにすることに加えて,その呼称を提言することを目的とする。最初に,市販会計ソフトにおいて採用されている処理方法を手掛かりにその特徴を明らかにする。次に,大規模企業に...
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Published in | 簿記研究 Vol. 7; no. 2; pp. 1 - 9 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本簿記学会
25.12.2024
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Subjects | |
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ISSN | 2434-1193 |
DOI | 10.32177/jjac.7.2_1 |
Cover
Summary: | わが国の簿記研究・教育における商品売買取引の処理方法は,主に三分法が取り上げられ「多くの実務において用いられている」といった説明も多くみられる。しかし,今日では三分法を採用する企業は少ないものと考えられる。企業実務で採用されている処理方法は,五勘定法と呼称する場合があるが,その呼称は定着しているわけではないし五分法(五分割法)と誤解されることもある。そこで,本論文では,企業実務で採用されている商品売買取引の処理方法の特徴と実態を明らかにすることに加えて,その呼称を提言することを目的とする。最初に,市販会計ソフトにおいて採用されている処理方法を手掛かりにその特徴を明らかにする。次に,大規模企業において採用されている商品売買取引の処理方法は,2022 年に行った実態調査の分析をつうじて主として二つの方法があることを明らかにする。それらの考察を踏まえて,最終的に本論文では,わが国における商品売買取引の典型的な処理方法を「売上原価項目入力法」と呼称することを提言する。 |
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ISSN: | 2434-1193 |
DOI: | 10.32177/jjac.7.2_1 |