上顎洞内視鏡検査による副鼻腔炎の検討

慢性副鼻腔炎の病態をよりよく理解するために, X線検査で上顎洞に陰影が認められた症例に対して上顎洞内視鏡検査を行い, 臨床所見と比較し治療に反映させるとともに, 病理組織学的検討を行った。鼻アレルギーのある例では上顎洞底部の浮腫状粘膜変化が高率にみられ, 好酸球の浸潤数も鼻アレルギーのない例に比べ有意に多く, 副鼻腔におけるアレルギー性炎症の存在を確認する結果となった。また同一症例の治癒過程について検討した結果より, 抗原が自然孔を経由して副鼻腔に到達しアレルギー性炎症を惹起する可能性が示唆された。...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 39; no. Supplement1; pp. 56 - 60
Main Authors 夜陣, 紘治, 松島, 隆浩, 小野, 邦彦, 平田, したう
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.06.1996
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo1958.39.Supplement1_56

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Summary:慢性副鼻腔炎の病態をよりよく理解するために, X線検査で上顎洞に陰影が認められた症例に対して上顎洞内視鏡検査を行い, 臨床所見と比較し治療に反映させるとともに, 病理組織学的検討を行った。鼻アレルギーのある例では上顎洞底部の浮腫状粘膜変化が高率にみられ, 好酸球の浸潤数も鼻アレルギーのない例に比べ有意に多く, 副鼻腔におけるアレルギー性炎症の存在を確認する結果となった。また同一症例の治癒過程について検討した結果より, 抗原が自然孔を経由して副鼻腔に到達しアレルギー性炎症を惹起する可能性が示唆された。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.39.Supplement1_56