癌患者血清中の培養細胞増殖抑制因子の存在

癌患者血清による培養細胞の増殖の影響を調べた結果, FL-Y(人羊膜株化細胞)の増殖は抑制するが, CV-1(アフリカミドリザル腎株化細胞)の増殖は抑制しない患者血清を見つけた. その患者にはIFN-αを投与していることから, IFN-αと細胞増殖抑制因子の同一性を検討した. 1)その患者血清は, CV-1の増殖を抑制しないが, FL-Yの増殖は抑制した. 2)IFN-αは, FL-YよりCV-1の増殖をよく抑制した. 3)その患者血清の増殖抑制活性は, -85℃で62日間保存後, かなり失活した. その患者には, IFN-α以外の細胞増殖を抑制する薬剤を投与していないことから, その患者血清...

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Published in医療 Vol. 37; no. 4; pp. 365 - 370
Main Authors 田村, 偉久夫, 金藤, 英二, 土江, 秀明, 島瀬, 公一, 栗村, 統
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 01.04.1983
医療同好会
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Summary:癌患者血清による培養細胞の増殖の影響を調べた結果, FL-Y(人羊膜株化細胞)の増殖は抑制するが, CV-1(アフリカミドリザル腎株化細胞)の増殖は抑制しない患者血清を見つけた. その患者にはIFN-αを投与していることから, IFN-αと細胞増殖抑制因子の同一性を検討した. 1)その患者血清は, CV-1の増殖を抑制しないが, FL-Yの増殖は抑制した. 2)IFN-αは, FL-YよりCV-1の増殖をよく抑制した. 3)その患者血清の増殖抑制活性は, -85℃で62日間保存後, かなり失活した. その患者には, IFN-α以外の細胞増殖を抑制する薬剤を投与していないことから, その患者血清中に未知増殖抑制因子が存在することが示唆された.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.37.365