無腐性大腿骨骨頭壊死の治療経験

昭和47年より55年の9年間に17症例23関節の無腐性大腿骨骨頭壊死を経験し, 骨頭壊死を原因別・治療別に経過観察を行い, その病態の推移をみてきたので, その結果を報告する. 17症例23関節の内訳は, 男性11症例, 女性6症例と男性に多い. 片側性発生は11症例, 両側性発生は6症例である. 原因別にみると, いわゆる特発性6症例, ステロイド誘発5症例, アルコール肝障害に起因するもの3症例, 外傷性3症例である. これらの症例の初診時レ線所見をもとに, collapse typeを分類すると, condense typeが15関節と最も多く, compression type 7関節...

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Published in医療 Vol. 37; no. 3; pp. 299 - 304
Main Authors 久米田, 秀光, 根本, 元, 中山, 喬司, 石橋, 勇貴, 井樋, 栄二, 鈴木, 伸夫, 松葉, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 01.03.1983
医療同好会
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Summary:昭和47年より55年の9年間に17症例23関節の無腐性大腿骨骨頭壊死を経験し, 骨頭壊死を原因別・治療別に経過観察を行い, その病態の推移をみてきたので, その結果を報告する. 17症例23関節の内訳は, 男性11症例, 女性6症例と男性に多い. 片側性発生は11症例, 両側性発生は6症例である. 原因別にみると, いわゆる特発性6症例, ステロイド誘発5症例, アルコール肝障害に起因するもの3症例, 外傷性3症例である. これらの症例の初診時レ線所見をもとに, collapse typeを分類すると, condense typeが15関節と最も多く, compression type 7関節, saucer type 1関節である. これらを経時的にか病態の推移を追跡すると, 途中, 関節置換術を施行した症例を含めて, すべて病勢の進行をみている. 以上のことから, 我々は本症に対する治療には, まず保存的療法を積極的に行い, 病勢が進行し関節の破壊が高度となれば年令に応じた手術が必要であると考える.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.37.299