リンパ性器官の除去がコクシジウム症に対する鶏の免疫獲得におよぼす影響

鶏の脾臓, 胸腺およびファブリシウス嚢が鶏コクシジウム症に対する免疫獲得において果たす役割について検討を行なった。コクシジウムとしてはE. acervulina を用い, 供試鶏は抗生物質や抗コクシジウム剤の添加されていない飼料で飼育した雄雛を用いた。また, 感染は成熟オーシストを直接〓嚢内に注入する方法で行ない, 免疫の獲得は24時間ごとに測定した攻撃感染後における排出オーシスト数によって判定した。 E. aceruvlina の感染によって, 感染鶏の脾臓および胸腺の重量が増加するのが認められた。 胸腺除去鶏は, 感染後に体重の減少を示したが, ファブリシウス嚢除去鶏ではそのような現象は観...

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Published in日本家禽学会誌 Vol. 7; no. 4; pp. 195 - 200
Main Authors 東條, 英昭, 岡本, 正幹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家禽学会 01.10.1970
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ISSN0029-0254
DOI10.2141/jpsa.7.195

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Summary:鶏の脾臓, 胸腺およびファブリシウス嚢が鶏コクシジウム症に対する免疫獲得において果たす役割について検討を行なった。コクシジウムとしてはE. acervulina を用い, 供試鶏は抗生物質や抗コクシジウム剤の添加されていない飼料で飼育した雄雛を用いた。また, 感染は成熟オーシストを直接〓嚢内に注入する方法で行ない, 免疫の獲得は24時間ごとに測定した攻撃感染後における排出オーシスト数によって判定した。 E. aceruvlina の感染によって, 感染鶏の脾臓および胸腺の重量が増加するのが認められた。 胸腺除去鶏は, 感染後に体重の減少を示したが, ファブリシウス嚢除去鶏ではそのような現象は観察されなかった。 攻撃感染後に, 胸腺除去鶏で, ファブリシウス嚢除去鶏や対照鶏に比較して多くの排出オーシスト数が観察された。 これらの結果から, E. acervulina に対する免疫の獲得には, 胸腺がなんらかの役割を果たしているものと推察された。
ISSN:0029-0254
DOI:10.2141/jpsa.7.195