LDHアイソザイムパターンが多彩な変化を示した自己免疫性膵炎の1例

症例は, 62歳, 男性. 2004年3月より左上腹部痛, 食欲不振を自覚. 5月に当院内科を受診し, 腹部CTで著明な膵体尾部腫大を認めたため, 入院となった. 初診および入院時ともに膵酵素や腫瘍マーカーの上昇はなかったが, 抗核抗体陽性でIgG1を主体とした高IgG血症がみられた. 腹部US, EUS-FNAおよびERCP下での生検で膵癌は否定的であり, 自己免疫性膵炎と診断しステロイド内服治療を行った. 本症例では, LDHのアイソザイムパターンが異常を呈し, LDH結合性免疫グロブリンの存在が確認された. 自己免疫性膵炎に酵素結合性免疫グロブリンが随伴した報告はこれまでみられず, 貴重...

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Published in膵臓 Vol. 20; no. 4; pp. 387 - 393
Main Authors 小林, 大介, 宮西, 浩嗣, 高田, 弘一, 新津, 洋司郎, 渡辺, 直樹, 小野田, 千紘, 林, 毅, 山田, 浩司, 辻, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 31.08.2005
Subjects
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.20.387

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Summary:症例は, 62歳, 男性. 2004年3月より左上腹部痛, 食欲不振を自覚. 5月に当院内科を受診し, 腹部CTで著明な膵体尾部腫大を認めたため, 入院となった. 初診および入院時ともに膵酵素や腫瘍マーカーの上昇はなかったが, 抗核抗体陽性でIgG1を主体とした高IgG血症がみられた. 腹部US, EUS-FNAおよびERCP下での生検で膵癌は否定的であり, 自己免疫性膵炎と診断しステロイド内服治療を行った. 本症例では, LDHのアイソザイムパターンが異常を呈し, LDH結合性免疫グロブリンの存在が確認された. 自己免疫性膵炎に酵素結合性免疫グロブリンが随伴した報告はこれまでみられず, 貴重な症例と考えられた.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.20.387