産婦人科領域におけるCefoxitinの臨床的検討 感染症および術後感染予防に対する効果

近年, 抗生剤の開発にはめざましいものがある. 一方, 産婦人科領域における感染症も耐性菌の増加や菌交代現象, 常在菌による混合感染などが問題となつてきた. とくに, グラム陰性桿菌や嫌気性菌による感染症の増加が注目されている. Cefoxitin (商品名: マーキシン注射用, 以下CFX) は, 1972年米国Merck Sharp & Dohme Research Laboratoriesにより開発された最初のCephamycin系抗生物質である. グラム陰性菌からグラム陽性菌にわたる広い抗菌スペクトラムを有しており, とくに産婦人科感染症と関連深いEscherichia col...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 35; no. 6; pp. 1623 - 1628
Main Authors 村上, 誠, 楠田, 展子, 吉田, 至誠, 石丸, 忠之, 山辺, 徹, 田川, 博之, 鈴木, 公雄, 黒氏, 謙一, 松本, 陽二, 松尾, 宗一郎, 一瀬, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 01.06.1982
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Summary:近年, 抗生剤の開発にはめざましいものがある. 一方, 産婦人科領域における感染症も耐性菌の増加や菌交代現象, 常在菌による混合感染などが問題となつてきた. とくに, グラム陰性桿菌や嫌気性菌による感染症の増加が注目されている. Cefoxitin (商品名: マーキシン注射用, 以下CFX) は, 1972年米国Merck Sharp & Dohme Research Laboratoriesにより開発された最初のCephamycin系抗生物質である. グラム陰性菌からグラム陽性菌にわたる広い抗菌スペクトラムを有しており, とくに産婦人科感染症と関連深いEscherichia coliなどのグラム陰性桿菌, および偏性嫌気性菌 (Bactmides fragilis) に対して強い抗菌活性を示すのが特徴とされる. 今回, 術後感染予防ならびに主として骨盤内感染に対するCFXの臨床効果を検討したので報告する.
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.35.1623