グラム陰性桿菌を用いた改良食菌プラーク法
食菌プラーク法は貪食機能を中心とした白血球の機能を解析する際に, 従来の液相法などにはない特異的な有用性を有する。本法はその操作中に無菌的な手技を必要とせず, また特別な器具を用いることなく施行できるきわめて簡便な方法であり, しかも短時間で結果が得られる。原法では貪食の対象として Staphylococcus aureus Cowan I 株が専ら用いられていたが, 臨床的にはグラム陰性菌を白血球による貪食の対象として検討したい場合もしばしばある。しかしながらグラム陰性菌ではプラスチックディッシュへの付着が不良なため, これまで明瞭な食菌プラーク像が得られなかった。そこで Pseudomon...
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Published in | 日本細菌学雑誌 Vol. 51; no. 4; pp. 1049 - 1053 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本細菌学会
15.10.1996
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-4930 1882-4110 |
DOI | 10.3412/jsb.51.1049 |
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Summary: | 食菌プラーク法は貪食機能を中心とした白血球の機能を解析する際に, 従来の液相法などにはない特異的な有用性を有する。本法はその操作中に無菌的な手技を必要とせず, また特別な器具を用いることなく施行できるきわめて簡便な方法であり, しかも短時間で結果が得られる。原法では貪食の対象として Staphylococcus aureus Cowan I 株が専ら用いられていたが, 臨床的にはグラム陰性菌を白血球による貪食の対象として検討したい場合もしばしばある。しかしながらグラム陰性菌ではプラスチックディッシュへの付着が不良なため, これまで明瞭な食菌プラーク像が得られなかった。そこで Pseudomonas aeruginosa, Escherichia coli および Serratia marcescens をプラスチックディッシュに付着させる条件を検討し, P. aeruginosa および E. coli を用いて明瞭な食菌プラーク像を得ることができた。E. coli を用いた時のプラークは S. aureus でのプラークとほぼ同様に円形であったが, P. aeruginosa を用いた時のプラークは細長く, S. aureus でのプラークとは明らかに異なった形態であった。 |
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ISSN: | 0021-4930 1882-4110 |
DOI: | 10.3412/jsb.51.1049 |