ホエータンパク質-ゼラチン混合ゲルのゲル化性

変性ホエータンパク質 (WPI) 濃度を6%, ゼラチン濃度を3%として酸性化させた混合ゲルのゲル化特性について検討した結果以下のことが判明した. (1) pH5.5に調整した混合ゲルはゼラチンの種類 (アルカリ処理, 酸処理) に関わりなくWPI単独ゲルに比べて離水しにくく, 高い破断特性値を示した. (2) 混合ゾルのpHを3.0~6.0に調整した場合, みかけの破断応力はゼラチンの種類に関わりなくpH4.5が最大となるが, 酸処理ゼラチン混合では, pH3.5にもピークが見られた.いずれもpH4.5以上になると, みかけの破断応力は急速に低下した. (3) オレンジ果汁をアルカリ処理ゼラ...

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Published in日本家政学会誌 Vol. 47; no. 11; pp. 1093 - 1098
Main Authors 粟津原, 理恵, 河村, フジ子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本家政学会 1996
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Summary:変性ホエータンパク質 (WPI) 濃度を6%, ゼラチン濃度を3%として酸性化させた混合ゲルのゲル化特性について検討した結果以下のことが判明した. (1) pH5.5に調整した混合ゲルはゼラチンの種類 (アルカリ処理, 酸処理) に関わりなくWPI単独ゲルに比べて離水しにくく, 高い破断特性値を示した. (2) 混合ゾルのpHを3.0~6.0に調整した場合, みかけの破断応力はゼラチンの種類に関わりなくpH4.5が最大となるが, 酸処理ゼラチン混合では, pH3.5にもピークが見られた.いずれもpH4.5以上になると, みかけの破断応力は急速に低下した. (3) オレンジ果汁をアルカリ処理ゼラチンに5~10%, 酸処理ゼラチンに5%添加したpH6前後の混合ゲルはみかけの破断応力は低いが, みかけの破断歪みが高い値を示した. (4) レモン果汁をアルカリ処理ゼラチンに10%, 酸処理ゼラチンに5%添加したpH4.7前後の混合ゲルはみかけの破断応力は高いが, みかけの破断歪みは低い値を示した. (5) オレンジ果汁を5%添加したpH6.24のWPI-アルカリ処理ゼラチン混合ゲルは自由水が少なく, WPIによる紐状の網目を膜状のゼラチンが埋めているとみられる緻密な構造を形成していた.
ISSN:0913-5227
1882-0352
DOI:10.11428/jhej1987.47.1093