筋萎縮性側索硬化症を支えるわが家のレシピ

• Published in: 医療 Vol. 61; no. 2; pp. 114 - 117
• Main Author: 長岡, 明美
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 国立医療学会 20.02.2007; 国立医療学会
• Subjects: 病院食を変える; 食は人間形成に必要不可欠; 食は薬; 食事指導
• ISSN: 0021-1699; 1884-8729
• DOI: 10.11261/iryo1946.61.114

23年前の入院中の食事は季節が変わってもなにも変わらず, 楽しみのないものであった. 病院食といえども季節を感ずる旬の食材を利用し, よりおいしくしてほしい. そうすれば元気も出るでしょうし, 回復も速くなるのではないか. カロリーだけの計算で作るのは間違っている. 食事は人間形成に必要不可欠であり, 心身の健康のバロメーターである. 神経難病患者等は経管栄養剤だけでカロリーは十分だといわれるが, それだけでは十分でない場合もあり, 内臓に異常がなければ家族と同じ食事をとるのがQOLを高めるためにも必要と思われる. わが家のミキサー食は野菜を4-5種類と大豆,貝類等から1種類入, 2,000-2,300mlぐらいを作る. 家族が食べる食事の中から少しずつ多種類の食材を入れてミキサーをし, 牛乳で濃度調節, 栄養補充をする. 食事の内容により和風, 中華, フレンチ, イタリアンと楽しめる. 味はポタージュスープを少しうすくした感じでおいしい. 食は薬である. 薬を多種類使用している人工呼吸器装着患者の家族から, わが家のレシピを取り入れたら薬が不用になり, 状態も改善されたと報告があった.