破裂前交通動脈瘤クリッピング術後長期経過した社会復帰例の高次脳機能の検討

近年, 破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血(SAH)の治療の進歩による生存率の改善に伴って, 術後経過順調で神経学的脱落症状のないことだけに満足するだけでなく, 生活の質が強調され, それとともに高次脳機能が注目されてきている. 以前より外科的治療が行われた前交通動脈(Acom)瘤においても記憶障害, 前頭葉機能障害, 知能障害などの高次脳機能障害がみられることはよく知られており, また神経心理テストを用いた多くの報告がされてきた. 本報告では神経心理テストのうちWechsler Adult Intelligence Scale-Revised(WAIS-R), Wechsler Memory S...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 30; no. 4; pp. 253 - 257
Main Authors 谷本, 敦夫, 川口, 哲郎, 江原, 一雅, 玉木, 紀彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 31.07.2002
日本脳卒中の外科学会
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Summary:近年, 破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血(SAH)の治療の進歩による生存率の改善に伴って, 術後経過順調で神経学的脱落症状のないことだけに満足するだけでなく, 生活の質が強調され, それとともに高次脳機能が注目されてきている. 以前より外科的治療が行われた前交通動脈(Acom)瘤においても記憶障害, 前頭葉機能障害, 知能障害などの高次脳機能障害がみられることはよく知られており, また神経心理テストを用いた多くの報告がされてきた. 本報告では神経心理テストのうちWechsler Adult Intelligence Scale-Revised(WAIS-R), Wechsler Memory Scale-Revised(WMS-R), Wisconsin Card Sorting Test(WCST)を使用してできるだけ簡便かつ包括的に破裂Acom動脈瘤術後の, 長期の高次機能障害を評価した. さらに高次機能に影響のある因子について検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.30.253