人工明礬泉, 重曹泉浴の皮膚及び汗の表面張力に及ぼす影響
硫酸のアルミニウム塩を主要成分とする明礬泉は, 古くから慢性皮膚疾患や手足多汗症, 慢性婦人科疾患等に対する温泉療法に用いられてきた1). また, 重炭酸ナトリウムを主要成分とする重曹泉は, 創傷, 火傷等に用いられる2)他, 皮膚清浄作用3)が知られ, 「美人の湯」, 「冷えの湯」などとも称されている. しかし, 明礬泉, 重曹泉が皮膚の機能や表面物性に及ぼす作用については充分明らかにされていない. 本報では, 皮膚及びその分泌物である汗に及ぼす明礬, 重曹の影響について検討した. その結果, これらの温泉成分が皮膚や汗の表面張力に対し興味深い作用を示すことを見出したので報告する. 実験方法...
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Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 58; no. 2; pp. 115 - 120 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
01.02.1995
日本温泉気候物理医学会 |
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Summary: | 硫酸のアルミニウム塩を主要成分とする明礬泉は, 古くから慢性皮膚疾患や手足多汗症, 慢性婦人科疾患等に対する温泉療法に用いられてきた1). また, 重炭酸ナトリウムを主要成分とする重曹泉は, 創傷, 火傷等に用いられる2)他, 皮膚清浄作用3)が知られ, 「美人の湯」, 「冷えの湯」などとも称されている. しかし, 明礬泉, 重曹泉が皮膚の機能や表面物性に及ぼす作用については充分明らかにされていない. 本報では, 皮膚及びその分泌物である汗に及ぼす明礬, 重曹の影響について検討した. その結果, これらの温泉成分が皮膚や汗の表面張力に対し興味深い作用を示すことを見出したので報告する. 実験方法 1. 皮膚の臨界表面張力への影響 1)明礬, 重曹溶液の適用 健常男子を被験者とし, 手指を実験前日に石鹸洗浄した以外は生活の規制は行わなかった. 実験当日に室温23℃, 相対温度50%に保たれた部屋に30分間安静にさせた後, 各手指を40℃の明礬水溶液, 炭酸水素塩水溶液または蒸留水中に10分間浸漬した. |
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ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki1962.58.115 |