重度重複障害児者の嚥下・呼吸障害に対する気道・食道分離の試み

嚥下・呼吸障害を呈する重度重複障害児者の一部に誤嚥防止を目的として気道・食道の分離を試み,単純気管切開を含め各術式の有効性を比較検討した.その結果,喉頭気管分離術が,下気道感染症の激減,呼吸機能・嚥下機能・栄養状態の改善,経口摂食の獲得,術後合併症の少ないことなど,すべての面で他の術式より優れていた. 彼らの生活は受動的になりがちだが,外科的方法も含め呼吸・嚥下という生命の基本のリハビリテーションを適切に行うことで能動的な活動を引き出しえた.ただし術後再閉鎖の可能性は彼らには少ないので,手術的方法を選ぶ場合,十分利点・欠点を検討し,彼らの生活の質の向上をめざすものであるべきと思われる....

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 30; no. 9; pp. 647 - 656
Main Authors 長, 博雪, 鈴木, 康之, 堀口, 利之, 玉川, 公子, 松尾, 多希子, 許斐, 博史, 林田, 哲郎, 舟橋, 満寿子, 工藤, 英昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本リハビリテーション医学会 01.09.1993
日本リハビリテーション医学会
Subjects
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ISSN0034-351X
1880-778X
DOI10.2490/jjrm1963.30.647

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Summary:嚥下・呼吸障害を呈する重度重複障害児者の一部に誤嚥防止を目的として気道・食道の分離を試み,単純気管切開を含め各術式の有効性を比較検討した.その結果,喉頭気管分離術が,下気道感染症の激減,呼吸機能・嚥下機能・栄養状態の改善,経口摂食の獲得,術後合併症の少ないことなど,すべての面で他の術式より優れていた. 彼らの生活は受動的になりがちだが,外科的方法も含め呼吸・嚥下という生命の基本のリハビリテーションを適切に行うことで能動的な活動を引き出しえた.ただし術後再閉鎖の可能性は彼らには少ないので,手術的方法を選ぶ場合,十分利点・欠点を検討し,彼らの生活の質の向上をめざすものであるべきと思われる.
ISSN:0034-351X
1880-778X
DOI:10.2490/jjrm1963.30.647