脳卒中片麻痺患者の廃用性筋萎縮に関する研究 「健側」の筋力低下について

脳卒中片麻痺患者における廃用症候群についての一連の研究の一環として,脳卒中後片麻痺患者72名について「健側」上下肢(肘屈曲・伸展,膝屈曲・伸展)の筋力をCybex IIで測定し,以下の結果を得た. (1)上下肢ともに正常者の42.2~81.6%と著明な筋力低下を示した.(2)発症後の期間と筋力とは有意の高い負の相関があり,これは潜在性の麻痺ではなく,廃用性筋力低下である可能性を示唆するものである.(3)現在のリハビリテーションは廃用性筋萎縮を予防し得ていず,今後より積極的に廃用症候群の予防に努力する必要がある....

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 25; no. 3; pp. 143 - 147
Main Authors 大川, 弥生, 上田, 敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本リハビリテーション医学会 01.05.1988
日本リハビリテーション医学会
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ISSN0034-351X
1880-778X
DOI10.2490/jjrm1963.25.143

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Summary:脳卒中片麻痺患者における廃用症候群についての一連の研究の一環として,脳卒中後片麻痺患者72名について「健側」上下肢(肘屈曲・伸展,膝屈曲・伸展)の筋力をCybex IIで測定し,以下の結果を得た. (1)上下肢ともに正常者の42.2~81.6%と著明な筋力低下を示した.(2)発症後の期間と筋力とは有意の高い負の相関があり,これは潜在性の麻痺ではなく,廃用性筋力低下である可能性を示唆するものである.(3)現在のリハビリテーションは廃用性筋萎縮を予防し得ていず,今後より積極的に廃用症候群の予防に努力する必要がある.
ISSN:0034-351X
1880-778X
DOI:10.2490/jjrm1963.25.143