鍼刺激の胃酸分泌機能に及ぼす影響

鍼灸治療の科学的研究は, 1958年の中国における鍼麻酔手術の報道を機に各関連領域での研究がさかんに行われ, 鍼麻酔の効果や機序に関する数多くの報告が行われている. また, ヒトの各臓器機能と鐵刺激の関連についての研究も進められ, 矢野等1)は, 肝血流量を肝クリアラン法で, レ線学的な胆嚢の形態変化を大島, 芹澤2,3), 及び有地4)が, 腎機能について中村等5), ウロペプシン排出量ついて田多井, 芹澤6)が, 膵機能についてPED試験で野口, 佐藤等7)が行っている. 特に鍼灸刺激の胃機能に与える影響について, 本邦では有地がレ線学的にヒトの胃の形態の変化8)を, 本郷, 松本等はラッ...

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Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 52; no. 3; pp. 146 - 158
Main Authors 野口, 栄太郎, 芹澤, 勝助, 佐藤, 登志郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 01.05.1989
日本温泉気候物理医学会
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ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki1962.52.146

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Summary:鍼灸治療の科学的研究は, 1958年の中国における鍼麻酔手術の報道を機に各関連領域での研究がさかんに行われ, 鍼麻酔の効果や機序に関する数多くの報告が行われている. また, ヒトの各臓器機能と鐵刺激の関連についての研究も進められ, 矢野等1)は, 肝血流量を肝クリアラン法で, レ線学的な胆嚢の形態変化を大島, 芹澤2,3), 及び有地4)が, 腎機能について中村等5), ウロペプシン排出量ついて田多井, 芹澤6)が, 膵機能についてPED試験で野口, 佐藤等7)が行っている. 特に鍼灸刺激の胃機能に与える影響について, 本邦では有地がレ線学的にヒトの胃の形態の変化8)を, 本郷, 松本等はラット胃潰瘍9,10,11), 家兎胃壁血流の変化12)について, 長谷川等は, テレメトリーによるヒト胃内pHの変化13)について報告している. 胃機能について種々の方法で研究されているが, ヒトの胃液および胃酸分泌について直接検討した報告は見あたらない. そこで我々は, 胃管を用い直接胃液を採取して鍼刺激の胃酸分泌機能に及ぼす影響と, 鍼刺激の部位及び回数との関連について検討したので報告する.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.52.146