医療から雇用・就業への移行の新動向 精神障害者領域を中心に
「1. はじめに」 「入院・施設処遇から地域生活支援へ」・「就業支援重視」・「多機関連携」・「訪問型支援の重視」は近年の障害者支援の実践および施策の主たる傾向である. これらにより障害者の医療や就業支援に大きな変化がもたらされつつある. 本稿では, 精神障害者領域を中心に, 医療から雇用・就業への移行の最近の動向を論じる. この領域を取り上げたのは, 筆者の専門領域であること以外に, 日本においては医療(入院やデイケア等の一部)により働くことを含む生活の大部分が抱え込まれる傾向があること, 障害者雇用制度では精神障害者が他障害より遅れた扱いにあることなど, 就業中も必要な薬物療法等の継続を超え...
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Published in | 職業リハビリテーション Vol. 21; no. 1; pp. 43 - 48 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本職業リハビリテーション学会
15.09.2007
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ISSN | 0915-0870 2186-1331 |
DOI | 10.11328/jsvr1987.21.43 |
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Summary: | 「1. はじめに」 「入院・施設処遇から地域生活支援へ」・「就業支援重視」・「多機関連携」・「訪問型支援の重視」は近年の障害者支援の実践および施策の主たる傾向である. これらにより障害者の医療や就業支援に大きな変化がもたらされつつある. 本稿では, 精神障害者領域を中心に, 医療から雇用・就業への移行の最近の動向を論じる. この領域を取り上げたのは, 筆者の専門領域であること以外に, 日本においては医療(入院やデイケア等の一部)により働くことを含む生活の大部分が抱え込まれる傾向があること, 障害者雇用制度では精神障害者が他障害より遅れた扱いにあることなど, 就業中も必要な薬物療法等の継続を超えて, 医療から就業への移行というべき現象がもっとも如実に見られる領域と考えるからである. 施策や技術の全般的動向を触れたのち, 実践での変化を紹介し, 課題について私見を述べる. 「2. 施策動向と新技術の試行」 「(1) 基本的に医療が抱え込んできた旧障害者プラン以前」 比較的最近まで, 精神障害者の支援では入院を中心とする医療が優先され, 精神障害者への福祉サービスではメニューが増えたものの資源の絶対量が乏しく, 就業支援は他の障害に比べて著しく遅れていた. |
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ISSN: | 0915-0870 2186-1331 |
DOI: | 10.11328/jsvr1987.21.43 |