同一内頸動脈の後交通動脈分岐部,前脈絡動脈分岐部に動脈瘤を有する症例の外科治療

ふたつの内頸動脈瘤が同側の後交通動脈分岐部と前脈絡動脈分岐部の2ヵ所に近接して生じることは比較的まれである. 特にそれらが相接したものはkissing aneurysmと称され, 外科治療の困難さについて報告されている10). 本論文では, 同一内頸動脈の後交通動脈分岐部前と脈絡動脈分岐部に動脈瘤を有する症例の臨床的特徴と外科治療における注意点について報告する. 対象と方法 2001年4月から2004年3月までの36ヵ月間に当施設で治療を行った症例のうち, 同一内頸動脈の後交通動脈分岐部(IC-Pcom)や前脈絡動脈分岐部(IC-Ach)に動脈瘤(An)を有する7症例を対象とした. 動脈瘤のサ...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 33; no. 6; pp. 448 - 452
Main Authors 村上, 謙介, 西嶌, 美知春, 沼上, 佳寛, 岩崎, 真樹, 富田, 隆浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 30.11.2005
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.33.448

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Summary:ふたつの内頸動脈瘤が同側の後交通動脈分岐部と前脈絡動脈分岐部の2ヵ所に近接して生じることは比較的まれである. 特にそれらが相接したものはkissing aneurysmと称され, 外科治療の困難さについて報告されている10). 本論文では, 同一内頸動脈の後交通動脈分岐部前と脈絡動脈分岐部に動脈瘤を有する症例の臨床的特徴と外科治療における注意点について報告する. 対象と方法 2001年4月から2004年3月までの36ヵ月間に当施設で治療を行った症例のうち, 同一内頸動脈の後交通動脈分岐部(IC-Pcom)や前脈絡動脈分岐部(IC-Ach)に動脈瘤(An)を有する7症例を対象とした. 動脈瘤のサイズ, 他の合併動脈瘤の有無など臨床的特徴と外科的治療法についてretrospectiveに検討した. 動脈瘤のサイズについては, IC-Pcom AnとIC-Ach An, くも膜下出血症例では破裂動脈瘤と未破裂動脈瘤で比較検討した. 各群ごとに平均化し, 有意差についてはt検定を用いて検定した. 数値は平均値±標準誤差で表示し, 有意水準はp<0.05とした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.33.448