末梢性顔面神経麻痺における重症度の電気生理学的検討

末梢性顔面神経麻痺に対して, 発症早期に顔面神経の変性状態および顔面筋の筋力を把握することは, 各種理学療法(温熱療法, 低周波通電法, 筋力増強訓練等)を施行するうえで不可欠である. そのためには, 顔面神経の機能回復を電気生理学的検査で, より客観的に評価することが必要と思われた. 今回, 末梢性顔面神経麻痺患者30名にelectroneurography(ENoG)と瞬目反射(Blink reflex, BR)を施行し, その検査所見とスケールによる点数との関係を検討したので報告する. 対象および方法 1. 対象は発症後3ヶ月以内に当科を受診した末梢性顔面神経麻痺(Bell麻痺26例,...

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Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 53; no. 4; pp. 219 - 225
Main Authors 野呂, 浩史, 梁田, 由樹子, 宮野, 良子, 兼重, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 01.08.1990
日本温泉気候物理医学会
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Summary:末梢性顔面神経麻痺に対して, 発症早期に顔面神経の変性状態および顔面筋の筋力を把握することは, 各種理学療法(温熱療法, 低周波通電法, 筋力増強訓練等)を施行するうえで不可欠である. そのためには, 顔面神経の機能回復を電気生理学的検査で, より客観的に評価することが必要と思われた. 今回, 末梢性顔面神経麻痺患者30名にelectroneurography(ENoG)と瞬目反射(Blink reflex, BR)を施行し, その検査所見とスケールによる点数との関係を検討したので報告する. 対象および方法 1. 対象は発症後3ヶ月以内に当科を受診した末梢性顔面神経麻痺(Bell麻痺26例, 外傷性麻痺4例)患者で, 男14名, 女16名, 平均年齢42.0歳であった. 2. 麻痺重症度の判定は顔面表情筋機能を正常を40点とする日本顔面神経研究会提唱のスケールにより点数化して評価した(表1). 3. ENoGは左右の顔面神経本幹を茎乳突部で電気刺激し, 下眼瞼部に設置した表面電極により眼輪筋最大収縮時の筋活動(M波)を記録した.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.53.219