心大血管術後の呼吸不全に対する非侵襲的陽圧換気法(NIPPV)の使用経験
心大血管術後の呼吸不全に対して,挿管することなくマスクを用いて陽圧換気を行う非侵襲的陽圧換気法(NIPPV)を施行し,良好な結果を得た.症例1:63歳,男性.COPDを合併した弓部大動脈瘤に対して人工血管置換術を施行した.術後5日目に抜管したが,COPDの急性増悪のため,再挿管となった.抜管後の呼吸補助を目的に,術後14日目にNIPPVを開始した.徐々に圧補助を減らし,18日目にNIPPVから離脱しえた.症例2:67歳,男性.狭心症に対して冠状動脈バイパス術を施行した.術翌日に抜管したが,3日目に無気肺による低酸素血症となった.高濃度酸素投与および持続陽圧呼吸目的にNIPPVを開始した.速やか...
Saved in:
Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 32; no. 2; pp. 94 - 97 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
15.03.2003
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
DOI | 10.4326/jjcvs.32.94 |
Cover
Summary: | 心大血管術後の呼吸不全に対して,挿管することなくマスクを用いて陽圧換気を行う非侵襲的陽圧換気法(NIPPV)を施行し,良好な結果を得た.症例1:63歳,男性.COPDを合併した弓部大動脈瘤に対して人工血管置換術を施行した.術後5日目に抜管したが,COPDの急性増悪のため,再挿管となった.抜管後の呼吸補助を目的に,術後14日目にNIPPVを開始した.徐々に圧補助を減らし,18日目にNIPPVから離脱しえた.症例2:67歳,男性.狭心症に対して冠状動脈バイパス術を施行した.術翌日に抜管したが,3日目に無気肺による低酸素血症となった.高濃度酸素投与および持続陽圧呼吸目的にNIPPVを開始した.速やかに症状の改善を認め,術後7日目にNIPPVから離脱しえた.NIPPVは心大血管術後の呼吸不全に対して有用であり,積極的に試みてもよいと思われた. |
---|---|
ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.32.94 |