鼓室形成術III型変法の聴力成績
鼓室形成術において, 耳小骨連鎖を再建するIII型を行った131例について報告した。またその聴力成績を再建法別にも検討した。術後聴力成績は以下の3条件のうちいずれかに該当するものを成功とした。1. 聴力レベル40dB以内, 2. 聴力改善15dB以上, 3. A-B gap 20dB以内。 全体では成功耳数は100耳76%であった。真珠腫性中耳炎の初回手術例が成功率89%と良好な聴力成績を示し, また外傷性, 奇形の非炎症性中耳疾患と段階手術の2次手術も良好な術後成績を示すことが分った。一方再手術の症例は成功率も58%と非常に悪かった。再建法別間に大きな差はみられなかった。さらに成功耳とする3...
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Published in | 臨床耳科 Vol. 15; no. 1; pp. 41 - 47 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本耳科学会
1988
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ISSN | 1884-5800 |
DOI | 10.11289/otoljpn1974.15.41 |
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Summary: | 鼓室形成術において, 耳小骨連鎖を再建するIII型を行った131例について報告した。またその聴力成績を再建法別にも検討した。術後聴力成績は以下の3条件のうちいずれかに該当するものを成功とした。1. 聴力レベル40dB以内, 2. 聴力改善15dB以上, 3. A-B gap 20dB以内。 全体では成功耳数は100耳76%であった。真珠腫性中耳炎の初回手術例が成功率89%と良好な聴力成績を示し, また外傷性, 奇形の非炎症性中耳疾患と段階手術の2次手術も良好な術後成績を示すことが分った。一方再手術の症例は成功率も58%と非常に悪かった。再建法別間に大きな差はみられなかった。さらに成功耳とする3つの聴力条件についても各々検討を加えた。 |
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ISSN: | 1884-5800 |
DOI: | 10.11289/otoljpn1974.15.41 |