精神科救急病棟におけるソーシャルワーカーの役割
国立精神・神経センター国府台病院では2005年9月に精神科救急病棟の施設基準を取得した. 精神科救急病棟ではソーシャルワーカー:Social worker (SW)による心理・社会的な課題への援助, 地域生活への移行の支援を進めることが期待されているが, 入院全ケースにSWが介入することは困難であり, 社会的な問題が発見された際にSWの介入が行われている. ここでは精神科救急病棟におけるSWの実態を報告し, SWの役割について考察する. 研究方法は当院精神科救急病棟へ2005年9月以降に入院し, 2006年8月末までに退院した患者の診療録およびSW記録よりマトリックスを作成し, SWの介入の実...
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Published in | 医療 Vol. 62; no. 2; pp. 84 - 88 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
20.02.2008
国立医療学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.62.84 |
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Summary: | 国立精神・神経センター国府台病院では2005年9月に精神科救急病棟の施設基準を取得した. 精神科救急病棟ではソーシャルワーカー:Social worker (SW)による心理・社会的な課題への援助, 地域生活への移行の支援を進めることが期待されているが, 入院全ケースにSWが介入することは困難であり, 社会的な問題が発見された際にSWの介入が行われている. ここでは精神科救急病棟におけるSWの実態を報告し, SWの役割について考察する. 研究方法は当院精神科救急病棟へ2005年9月以降に入院し, 2006年8月末までに退院した患者の診療録およびSW記録よりマトリックスを作成し, SWの介入の実態を明らかにした. 結果は, 入院患者全291名のうち約33%である97名にSWが介入した. SWが介入した97名は, 統合失調症患者が多くを占め, 入院早期からSWは独自の判断で介入し, 退院問題, 経済問題, 心理・社会的な問題など多岐の問題を解決する援助に取り組んでいた. 当該病棟に専任SWが2名配置されたことは, 積極的な情報収集とSWの判断による入院早期からの介入, 医療スタッフとの連携を強化することが可能となり, SWと患者が協働で問題解決できる時間を確保することができた. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.62.84 |