未破裂脳動脈瘤に対する血管内治療を含めた治療方針

未破裂動脈瘤の治療については, きわめて低い破裂率であるとしたISUIAの第一報5)以来, 慎重な適応決定をする施設が増えている. また, メディアを通した医療情報の氾濫と合併症の恐怖により, 患者サイドでも希望が少なくなっているのが現状である. しかしながら, わが国での成績調査では中間報告ながら, やはり1%近い破裂率があるとされ21), 脳ドックの普及による発見率の増加と相まってその治療の需要は少なくない. また, 30年以上の歴史がある観血的治療の結果から得た経験的な合併症のリスクと, 無症状の患者の開頭術への恐怖などから血管内治療に対する期待は大きい. われわれは動脈瘤塞栓術の適応を...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 33; no. 6; pp. 442 - 447
Main Authors 宮地, 茂, 根来, 真, 小林, 望, 小島, 隆生, 服部, 健一, 中井, 完治, 半田, 隆, 中林, 規容, 福井, 一裕, 高橋, 郁夫, 岩越, 孝恭, 服部, 智司, 文堂, 昌彦, 岡本, 剛, 鈴木, 宰, 大塚, 吾郎, 服部, 光爾, 佐原, 佳之, 吉田, 純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 30.11.2005
日本脳卒中の外科学会
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Summary:未破裂動脈瘤の治療については, きわめて低い破裂率であるとしたISUIAの第一報5)以来, 慎重な適応決定をする施設が増えている. また, メディアを通した医療情報の氾濫と合併症の恐怖により, 患者サイドでも希望が少なくなっているのが現状である. しかしながら, わが国での成績調査では中間報告ながら, やはり1%近い破裂率があるとされ21), 脳ドックの普及による発見率の増加と相まってその治療の需要は少なくない. また, 30年以上の歴史がある観血的治療の結果から得た経験的な合併症のリスクと, 無症状の患者の開頭術への恐怖などから血管内治療に対する期待は大きい. われわれは動脈瘤塞栓術の適応を含めたエビデンスを明らかにするために, 過去7年間の未破裂動脈瘤に対する血管内治療例における急性期, 慢性期合併症をレビューして, 従来の治療方針の妥当性について検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.33.442