院内モルヒネ消費量の増加と麻酔科における癌性疼痛患者管理

1986年1月~1997年12月に当院麻酔科を受診した癌性疼痛患者322人について, 1年ごとの疼痛治療の変化を調べた。また, 院内の年間悪性腫瘍患者数と年間製剤別のモルヒネ消費量を調査し, 国内におけるモルヒネ消費量と比較した。経口モルヒネ消費量の増加と共に最近5年間の当院麻酔科を受診した癌性疼痛患者は20人前後に減少した。麻酔科を受診した癌患者の殆どが神経ブロックを施行されていた (90%) が, 1996年以降, 神経ブロックの施行率は減少した (1996年79%, 1997年50%)。麻酔科での鎮痛補助薬の併用状況は最近12年間で大きな変化はなかった。当院でのモルヒネ消費量の増加率は,...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 48; no. 1; pp. 21 - 25
Main Authors 近藤, 司, 松宮, 直樹, 真田, 勝弘, 浅野, 千代子, 高橋, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 30.05.1999
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.48.21

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Summary:1986年1月~1997年12月に当院麻酔科を受診した癌性疼痛患者322人について, 1年ごとの疼痛治療の変化を調べた。また, 院内の年間悪性腫瘍患者数と年間製剤別のモルヒネ消費量を調査し, 国内におけるモルヒネ消費量と比較した。経口モルヒネ消費量の増加と共に最近5年間の当院麻酔科を受診した癌性疼痛患者は20人前後に減少した。麻酔科を受診した癌患者の殆どが神経ブロックを施行されていた (90%) が, 1996年以降, 神経ブロックの施行率は減少した (1996年79%, 1997年50%)。麻酔科での鎮痛補助薬の併用状況は最近12年間で大きな変化はなかった。当院でのモルヒネ消費量の増加率は, ほぼ国内と同様であったが, 院内における癌性疼痛管理の啓蒙と工夫がより一層必要であると思われる。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.48.21