自閉症スペクトラム障がいの子どもをもつ母親たちの支え合い 仲間を勇気づけるレッスン

本報告では,自閉症スペクトラム障がいの子どもをもつ母親が,紙飛行機を飛ばし合いながら,悩みや困りごとを言語化して仲間に伝え(『辛かったエピソード』),それに対し他の母親たちが,相手に対する気持ちを言語化し(『励ましのメッセージ』),さらに記載された内容を参加者全員が共有するといった複数の母親のやりとりが,母親たちのあいだの関係性や子育てに向かう姿勢にどのように影響するのかを検討した。   研究参加者は8名の母親であり,複数の母親のやりとりによって生じる関係性や子育てに向かう姿勢について解釈しながら質的な分析を行った。その結果,複数の母親によるやりとりは,①子育てに向かう姿勢が仲間である母親たち...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 35; no. 5; pp. 5_35 - 5_43
Main Authors 門間, 晶子, 森, 阿紀子, 浅野, みどり, 古澤, 亜矢子, 大橋, 幸美, 山本, 真実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.12.2012
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20120903004

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Summary:本報告では,自閉症スペクトラム障がいの子どもをもつ母親が,紙飛行機を飛ばし合いながら,悩みや困りごとを言語化して仲間に伝え(『辛かったエピソード』),それに対し他の母親たちが,相手に対する気持ちを言語化し(『励ましのメッセージ』),さらに記載された内容を参加者全員が共有するといった複数の母親のやりとりが,母親たちのあいだの関係性や子育てに向かう姿勢にどのように影響するのかを検討した。   研究参加者は8名の母親であり,複数の母親のやりとりによって生じる関係性や子育てに向かう姿勢について解釈しながら質的な分析を行った。その結果,複数の母親によるやりとりは,①子育てに向かう姿勢が仲間である母親たちの言葉で表現されること,②多様な考え方が受け入れられる関係性をつくること,そして③問題と自分を切り離すことによって問題そのものの考え方が変化すること,に影響する可能性が考えられた。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20120903004