生体肝移植後20年以上無再発で良好な経過である原発性硬化性胆管炎の1例

原発性硬化性胆管炎(PSC:Primary sclerosing cholangitis)の発症や急速な進行を肝生検とMRCP(Magnetic Resonance Cholangio Pancreatgraphy)にて確認し,治療として施行した肝移植後も20年以上無再発で長期観察できた1症例を経験した.初診時の肝生検やMRCPではPSCを疑わせる所見は認めず,3年後にPSCと診断,その後半年で急速に著明な胆管拡張,黄疸の上昇,肝予備能の低下を認め生体肝移植を施行した.本症例は現在,肝移植後20年以上経過しているが,再発なく経過良好な症例であり,さらにはPSCの診断前から発症,急速な悪化,移植...

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Published in肝臓 Vol. 65; no. 2; pp. 66 - 73
Main Authors 長井, 和之, 末廣, 満彦, 河田, 真由子, 川中, 美和, 木村, 美名子, 石井, 克憲, 浦田, 矩代, 小田, 進太郎, 島田, 佳祐, 波多野, 悦朗, 河本, 博文, 春間, 賢, 古味, 昌紘, 谷川, 朋弘, 西野, 謙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.02.2024
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.65.66

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Summary:原発性硬化性胆管炎(PSC:Primary sclerosing cholangitis)の発症や急速な進行を肝生検とMRCP(Magnetic Resonance Cholangio Pancreatgraphy)にて確認し,治療として施行した肝移植後も20年以上無再発で長期観察できた1症例を経験した.初診時の肝生検やMRCPではPSCを疑わせる所見は認めず,3年後にPSCと診断,その後半年で急速に著明な胆管拡張,黄疸の上昇,肝予備能の低下を認め生体肝移植を施行した.本症例は現在,肝移植後20年以上経過しているが,再発なく経過良好な症例であり,さらにはPSCの診断前から発症,急速な悪化,移植,その後の経過を観察しえた貴重な報告と考えた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.65.66