肝疾患治療薬の作用に関する基礎的研究(2)重症肝炎の治療を目的としたglucagoninsulin療法の基礎的研究

D-galactosamineはラット腹控内1回投与によって,また,その投与量に応じて,ヒト急性肝炎類似の病変から劇症肝炎様病変まで作製しうる.そこで,1000mg/Kg・体重のD-galactosamineをラット腹腔内に投与し,肝に劇症肝炎様病変を惹起させ,Bucherらの報告したglucagon-insulinの共役作用による肝再生促進作用が,劇症肝炎治療に応用しうるかどうか検討した.その結果,glucagon-insulinの投与はD-galactosamineによる肝細胞壊死の進展を阻止する結果をしめし,肝再生促進作用と考えあわ量,急性肝不全給療の根本の考え方である,(1) 肝細胞壊...

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Published in肝臓 Vol. 19; no. 9; pp. 848 - 853
Main Authors 沖田, 極, 野田, 健一, 福本, 陽平, 藤井, 良子, 児玉, 隆浩, 竹本, 忠良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1978
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Summary:D-galactosamineはラット腹控内1回投与によって,また,その投与量に応じて,ヒト急性肝炎類似の病変から劇症肝炎様病変まで作製しうる.そこで,1000mg/Kg・体重のD-galactosamineをラット腹腔内に投与し,肝に劇症肝炎様病変を惹起させ,Bucherらの報告したglucagon-insulinの共役作用による肝再生促進作用が,劇症肝炎治療に応用しうるかどうか検討した.その結果,glucagon-insulinの投与はD-galactosamineによる肝細胞壊死の進展を阻止する結果をしめし,肝再生促進作用と考えあわ量,急性肝不全給療の根本の考え方である,(1) 肝細胞壊死の進展阻止,(2) 肝再生の健進という2大条件を満足させるものと思われた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.19.848