フロセミドアレルギーにより急激な腎機能障害の進行をきたした慢性腎不全の一例

59歳,男性,呼吸困難を主訴に入院. 58歳時に右腎切除されていた.胸部X線で,肺うっ血・胸水を認めたが,心機能は正常であった.フロセミド(ラシックス®)投与にて治療を開始しところ,腎機能の急激な低下と好酸球増加,全身性紅斑が出現.紅斑は薬剤中止により軽快した.フロセミド(ラシックス®)に対するDLSTは陽性,同時期のGaシンチでは腎に強い集積を認めた.本例はフロセミド(ラシックス®)によるアレルギー性間質性腎炎と考えられ,非常にまれな症例と思われた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 88; no. 1; pp. 130 - 132
Main Authors 桑田, 敦, 李, 鍾大, 清水, 寛正, 中野, 顕, 森永, 浩次, 下司, 徹, 上田, 孝典, 白崎, 有正, 木村, 秀樹, 鈴木, 亨, 下條, 文武
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1999
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:59歳,男性,呼吸困難を主訴に入院. 58歳時に右腎切除されていた.胸部X線で,肺うっ血・胸水を認めたが,心機能は正常であった.フロセミド(ラシックス®)投与にて治療を開始しところ,腎機能の急激な低下と好酸球増加,全身性紅斑が出現.紅斑は薬剤中止により軽快した.フロセミド(ラシックス®)に対するDLSTは陽性,同時期のGaシンチでは腎に強い集積を認めた.本例はフロセミド(ラシックス®)によるアレルギー性間質性腎炎と考えられ,非常にまれな症例と思われた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.88.130