小児急性リンパ性白血病のリスク因子別治療成績
東北小児白血病研究会のプロトコールALL 83により治療した111例のリスク因子別治療成績を報告した.高リスク (HR) 群 (54例) は2歳末満または10歳以上, 初診時白血球数25,000 /μl以上, TまたはB細胞マーカーをもつもののうち一つ以上の因子をもつものとし, 標準リスク (SR) 群 (57例) はHR群以外のものとした.SR群はさらに白血球数10,000 /μl未満の83-A 群 (41例) とそれ以上の83-B 群 (16例) に分けた.4ないし5剤による寛解導入療法, 中枢神経系予防治療, 多剤寛解維持および強化療法を3年間行った.リスク因子に従って初期治療を強化した...
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Published in | 日本小児血液学会雑誌 Vol. 1; no. 1-2; pp. 40 - 45 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
1987
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ISSN | 0913-8706 1884-4723 |
DOI | 10.11412/jjph1987.1.40 |
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Summary: | 東北小児白血病研究会のプロトコールALL 83により治療した111例のリスク因子別治療成績を報告した.高リスク (HR) 群 (54例) は2歳末満または10歳以上, 初診時白血球数25,000 /μl以上, TまたはB細胞マーカーをもつもののうち一つ以上の因子をもつものとし, 標準リスク (SR) 群 (57例) はHR群以外のものとした.SR群はさらに白血球数10,000 /μl未満の83-A 群 (41例) とそれ以上の83-B 群 (16例) に分けた.4ないし5剤による寛解導入療法, 中枢神経系予防治療, 多剤寛解維持および強化療法を3年間行った.リスク因子に従って初期治療を強化した.中央値19ヵ月の観察では, 3年寛解持続率 (±SE) はSR群の83-A, 94±3%, 83-B, 80±12%, HR群の83-C, 69±9%であった.1983年以前のプロトコールALL 78の治療成績と比較して有意の改善がみられ, 多剤による初期治療の強化によるものと推定した. |
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ISSN: | 0913-8706 1884-4723 |
DOI: | 10.11412/jjph1987.1.40 |