直接クリッピング術を施行した硬膜輪近傍の大型・巨大内頸動脈瘤の検討

硬膜輪近傍の内頸動脈瘤(juxta-dural ring aneurysmあるいはparaclinoid aneurysm)は, 内頸動脈後交通動脈の分岐部より近位部の硬膜内に存在し, 大型あるいは巨大動脈瘤になる頻度が他の部位の動脈瘤より高いことから, 治療困難な動脈瘤の1つと考えられている16)17). 直接クリッピング術を行うに当たって, この部位の微小解剖学的研究, 頭蓋底手術手技(前床突起削除, 視神経管上壁の開放, 硬膜輪の開放など), 内頸動脈近位部の血流のコントロール(頸部切開や血管内バルーンを用いたsuction-decom-pression法)などの進歩, 発達が大いに貢献...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 31; no. 4; pp. 295 - 302
Main Authors 伊達, 勲, 大本, 堯史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 31.07.2003
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.31.295

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Summary:硬膜輪近傍の内頸動脈瘤(juxta-dural ring aneurysmあるいはparaclinoid aneurysm)は, 内頸動脈後交通動脈の分岐部より近位部の硬膜内に存在し, 大型あるいは巨大動脈瘤になる頻度が他の部位の動脈瘤より高いことから, 治療困難な動脈瘤の1つと考えられている16)17). 直接クリッピング術を行うに当たって, この部位の微小解剖学的研究, 頭蓋底手術手技(前床突起削除, 視神経管上壁の開放, 硬膜輪の開放など), 内頸動脈近位部の血流のコントロール(頸部切開や血管内バルーンを用いたsuction-decom-pression法)などの進歩, 発達が大いに貢献してきた4)8)l0)13)14)17)筆者らは過去6年問にこの部位の大型ないし巨大動脈瘤15症例に対して, 直接クリッピング術を行い良好な成績をあげてきた. 本稿では, われわれの方法を紹介し, 硬膜輪近傍の大型, 巨大内頸動脈瘤に対する直接クリッピング術について考察する. 対象症例 1996年から2001年の6年間に15例の硬膜輪近傍の大型, 巨大内頸動脈瘤に対して直接クリッピング術を施行した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.31.295