3次元CT angiography (3D-CTA) による中大脳動脈径左右差の臨床的意義についての検討
3D-CTAにより中大脳動脈 (MCA) 径に左右差のみられた一側内頸動脈血栓性閉塞例4例を経験した.これら4例では, 脳血管造影上, 閉塞側MCAは主に, 2例は前交通動脈, 2例は外頸動脈より眼動脈介した側副血行により動脈相後期から造影され, いずれも, CTでは脳主幹動脈境界領域を含む梗塞巣を有していた.3D-CTAでは, 閉塞側MCA水平部最大径の平均値は2.5mmと, 非閉塞側の3.9mm, および, コントロール9血管の平均3.4mmとの間には差を認めた (P<0.05vs非閉塞側).閉塞側MCA領域の脳血流量, MCA水平部平均血流速度は, それぞれ, 約16ml/100g...
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Published in | 脳卒中 Vol. 19; no. 2; pp. 125 - 131 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
1997
日本脳卒中学会 |
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.19.125 |
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Summary: | 3D-CTAにより中大脳動脈 (MCA) 径に左右差のみられた一側内頸動脈血栓性閉塞例4例を経験した.これら4例では, 脳血管造影上, 閉塞側MCAは主に, 2例は前交通動脈, 2例は外頸動脈より眼動脈介した側副血行により動脈相後期から造影され, いずれも, CTでは脳主幹動脈境界領域を含む梗塞巣を有していた.3D-CTAでは, 閉塞側MCA水平部最大径の平均値は2.5mmと, 非閉塞側の3.9mm, および, コントロール9血管の平均3.4mmとの間には差を認めた (P<0.05vs非閉塞側).閉塞側MCA領域の脳血流量, MCA水平部平均血流速度は, それぞれ, 約16ml/100g/min, 約13cm/secと同領域内での強い脳循環動態の不良が示唆された.今回, 3D-CTAによるMCA径左右差の臨床的意義について考察した. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.19.125 |